716837 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

花鳥風枝

花鳥風枝

☆ 野鳥の聞きなし集Ⅱ

ジョウビタキ 「カタッ カタッ」 (鳥らしくない声で鳴く)
(常鶲) 「ヒッヒッカタカタ」 (この鳴き声が「ヒタキ」の名の由来)
「カッカッ」(この声が火打ち石をたたく音に似ていてヒタキという名がついた)
「ヒィヒィ」
シラコバト 「ポーオーポー」   (*)
  (白子鳩) 「ポポーポゥ」 「ククークゥ」 (*)
シロハラ(白腹) 「クワッ、クワッ」
「シー」
「ぐちゆ ぐちゆ、くわつ くわつ くわつ」
「カイツブリ」
「びゆろん びゆろん」
「ちいろん」
「ちよろん ちよろん」
スズメ(雀) 「チュンチュン」 (*) (大正時代から一般化)
「チユン・チヨツ・チヨン」
?「グツグツ・米炊イテ・ビチャビチャ・虫食オウ」  (→ツバメの聞きなしの可能性大)
「シウシウ(啾々)」(『色葉字類抄』)(平安末期の国語辞書)
   (「啾々」は人の泣く声)
「シウ・シウ」「啾・啾」  (室町時代まで)
「じじ」   (源俊頼『散木奇歌集』)(平安時代)
「ちうちう」  (『舌切雀』)(江戸時代)     (※ネズミと同じ鳴き声)
「チュチュ」  (鈴木朖(あきら)『雅語音声考』)
「父父(ちちちち)」  (狂言の「竹生島詣」)
「ちいちい」  (森川許六『要文集』序)  (※すずめがうれしい気分の時に出す声)

「ちゃちゃ」  (曲亭馬琴、読本)
「ちゃちゃくちゃ」  (竹田出雲、浄瑠璃)
「ちゃちゃくちゃくちゃ」  (近松やなぎ、浄瑠璃)
「チューチュー」 (江戸時代)
セッカ(雪加) 「チンチンチンチン バァ ファートルカー スンスンドォー ピャーク ダーラドォー」
(沖縄県波照間島)   ※「私の子どもを取ると、損するぞ、百俵だぞ」の意味。 
     (八重山野鳥の会『八重山野鳥の会10周年記念誌』1983年)
「ヒッ・ヒッ・ヒッ」(背丈ほどの川原の草原から飛び上がる時) 
「チャチャ・チャチャ……チチチ……」(下に降りる時)
「ヒッ、ヒッ、ヒッ…」(飛びながら)   「ジャッジャッ…」(下降時)
「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ」(上昇のとき)   「ジャジャ」(下降のとき)
「ヒ・ヒ・ヒ・ジェジェッ・ジェジェッ……」
「ひひひひひ」
「つゑ つゑ つゑ」
センダイ 「焼酎(しょうちゅう)一杯(いっぱい)グーイ」
  ムシクイ 「焼酎一パイ、グーイ」
 (仙台虫喰) 「チチヨチヨビー(焼酎一ぱいぐいー)」
「焼酎一杯グビー」 
「焼酎一杯ぐいー(ショウチュウイッパイグイー)」 (長野県)  

「ショウチューイッパイグイー」
「焼酎1杯ぐいー」
「焼酎一杯グイー」(信州地方) (石沢健夫、野鳥Vol.1,No.1,3,1934年)


「焼酎一杯、グイー」
「焼酎一杯、グーィ」
「焼酎一杯グイーッ」  「焼酎一杯ぐいーっ」

「焼酎一杯、グイーツ」 
「焼酎1杯グイーッ」
「焼酎一杯グイーーッ」
「焼酎いっぱいぐぃー」
「焼酎一杯、グィー」
「焼酎一杯ぐぃ~(しょうちゅういっぱいぐぃ~)」
「焼酎いっぱいグイーッ」
「ショウチュウイッショウ・グーイ」
「四(し)ッ丁(ちょ)五丁、ギイー」  
「四(し)っ丁(ちょ)五丁、ぎいー」  (東京の檜原村)
「四ッちよ、五丁、ギーイ」 (西多摩の五日市付近)
「四ッ丁・五丁・ギイー」
「鶴千代君(ツルチヨギミ)」 (歌舞伎『伽羅先代萩』に登場する名)

「鶴千代君ー」
「鶴千代君~」
「鶴千代君ーッ」
「鶴千代ギミイ」
「鶴千代ぎみー」  (仙台)
「鶴千代ぎみい」  (仙台)
「ツルチヨギミー」(鶴千代君) (仙台地方)
「鶴千代ギミー」
 ※宮城県の鳥の研究家、熊谷三郎氏は、芝居の伽羅(めいぼく)先代萩
  (せんだいはぎ)の「鶴千代君」からついた名前という。
「鶴喜代姫君」 (※こう聞きなして、歌舞伎の先代萩から和名がついてという説もある)

 (注)歌舞伎『伽羅先代萩』に登場する幼君「鶴喜代(つるきよ)」は、別名「鶴千代君」ともいい、足利家(モデルは仙台伊達家お家騒動)の後継者であり、殿様であるので、姫君ではない。「伽羅(きゃら)」を「めいぼく」と読むのは、「名木」の意味だという。若君「鶴喜代(鶴千代)」の見舞いに差し出された毒入りのお菓子を、鶴喜代の乳人(めのと)である政岡(まさおか)の息子千松(せんまつ)が食べて、身代わりとなった。
「チヨ、チヨ」  「千代、千代」  (『呼子鳥』蘇生堂、1710年)
「チヨチヨビー」
「チヨチヨ・ビイー」
「チチョチチョビー」
「チョチョビー」 「チョチョビーッ」
「フィッフイッ」
「千代松君ー」 
「千代の富士」
「乳乳ホシー」  (育児に追われる奥さんから)
「メチャクチャダーイ」 (自然破壊に野鳥が怒っているように思ったからと作者の弁)
「チカレタビー」
「チカリタビィー(疲れたべ?)」
「疲れたベー(ツカレタベー)」
「疲れたビー」
「疲れた(ちかれた)ビー」
「チカレタビーッ」
「オツカレサマーッ」 (叶内拓哉)
「爺や爺や起きい(じいやじいやおきい)」
「爺いや、爺いや、起きい」  (老童話作家、岸辺福雄氏の聞きなし)
「爺や、爺や、起きい」
「爺や爺や起きー」
「爺や爺や、起きーい」  (老童話作家、岸辺福雄氏の聞きなし)
「爺イヤ・爺イヤ・起キー」 
「牛の糞ビィッ」 (加茂の山村)
  (成沢多美也「聞きなしの弁」野鳥Vol.20,No.3,p.53-56,1955年)
タシギ(田鴫) 「ギーギー」
「ジェッ」 (こう鳴いて飛び立つ)
チドリ(千鳥) 「やちよ(八千代)」   (『古今和歌集』巻七、賀歌) 
 (※シロチドリの鳴き声というが、実際には、「ピヨ」あるいは「チヨ」と聞こえる。)
「ちよちよ(千代千代)」  (小野蘭山『大和本草批正』) (江戸時代)
「チヨ(千代)」「チヨチヨ(千代千代)」
「ちりちり」   (狂言『千鳥』)
「ちいりちり」  (狂言小舞謡「宇治のさらし」)
「ちんちん」 (小唄「ちんちん節」)(※「ちんちん」は男女の深い仲をも意味する)

「チチチチチチチチチヨ」  (唱歌「川瀬の千鳥」)
ツグミ(鶫) 「きいきい」
「きやあ きやあ きやあ きやあ」
「キュキュ」
「くあつ くあつ」
「クイッ、ツィー」
「ケェッス、ケェッス」 (驚いて飛び立つ時の鳴き声)
「フィリー・ホーリー」 (菅野徹「ツグミの美声 50年に2回」(まちかど 四季散歩)  
               2007年4月7日、読売新聞、佐賀12版 くらし22面)
             (※この新聞の写しは、松﨑悦郎氏よりいただいた。)
(新聞のエッセイ)ツグミは、北帰行の迫るころ、「フィリー・ホーリー」と朗々たる歌を聞かせてくれることがあり、その美しさは、日本で聞ける野鳥の中で一、二を争う。ただ、この半世紀あまり、耳をそばだてているが、はっきり聞いたのは2回だけ。北の国へ行って、ツグミの歌を、思い切り聞きたいというのが、私の見果てぬ夢の一つだ。(菅野徹)
ツツドリ(筒鳥) 「ポポ、ポポポ」
「ポポ、ポポポポ」  (筒を叩くような声)
雄は「ポ・ポ・ポ……」と鳴き、雌はただ「ポッピッピッピッピッ」と鳴くだけである。
「ポンポン」「ポポ・ポポ」
「ぽうぽう」
ツバメ(燕) ◆「乙(いっ」 (自分の名を呼ぶように鳴く) <別名:(乙鳥、いっちょう)>
     「土喰(く)うて虫喰うて渋(しいぶ)い」
「土食うて、虫食うて渋うい」
「土食ウテ・虫食ウテ・渋ウイ」
「土食うて虫食うて渋ーい」
「土喰うて、虫喰うて、渋ーい」
「土喰うて、虫喰うて、しぶーい」
「土喰って虫喰って渋ーい」
「土食って虫食って渋ーい」
「土食って虫食って渋い(ツチクッテ ムシクッテ シブイ)」
「ドロクッテ、ツチクッテ、シブーィ(泥食って土食って渋ーぃ)」
「チュッピ」
「チュビー、ツピー」
「土くって虫くって、渋い」
「土食って虫食って、渋ーい (つちくってむしくってしぶーい)」

「土食って虫食って、しぶーい」
「チュビュ、チリー」 
「チプチェイ・チプチェイジー」
「チュビッ、ジュイー」
「土食って虫食ってしぶーい」
「ツチクッテムシクッテシブーイ」「土食って虫食って渋ーい」
「土食って虫食って渋ーい、渋ーい」
「土食って泥食って渋ーィ」
「土食って、泥食って、しぶーい (つちくって どろくって しぶーい)」
「土食って土食ってしぶーい」
「虫食って土食ってしぶーい」
「虫食って土食って渋~い」
「虫食って土食ってしぶ~い(むしくってつちくってしぶ~い)」
「虫食って土食って口しぶーい」
「虫とって、つんむしって、シッショラシュー」    (佐賀の民話)
「土食って虫食って、口渋ーい」
「土くって虫くって 口しいぶい」
「土食うて、虫食うて口ちゃしぶーい」
「ツチクテムシクテクチシーブイ」
「土食うて、虫食うて、口しぶい」
「土食うて・虫食うて・口しぶーい」
「土食って渋~い、虫食って渋ーい」
「土喰うて虫喰うてあとなん喰うけぇぶりー」(「にほんごであそぼ受信録」の作者の祖母)
「百姓米食って私しゃ土食って虫食って口しぶーい」
「地球地球、地球儀」
「殿さんたち米のまま食う・わしらあ土食うてワラ食うて・口ぁしぶーい」
「土食うて虫食うて水飲んじ・あとにはなん食おじー」
「人ら米食うし、おいら虫食うて口渋い」
「人等ハ米喰ウテ・オイラハ虫喰ウテ・口渋イ」
「グツグツ・米炊イテ・ビチャビチャ・虫食オウ」 (※スズメの昔の聞きなしとして紹介)
「ぐつぐつ米炊いて、ピチャピチャ虫食おう」
「肉焼いて!肉焼いて!肉焼いて!ジュ~~~ッ」
ドバト 「ウオーウオー」
(堂鳩、塔鳩、
 土鳩)
「ボロロローボロロロー」
トビ(鳶) 「比伊与呂々々々」   
 (俗称トンビ) ◆「比伊与呂与呂(ひいよろよろ)」 

「ひよろ」 (『雑談集(ぞうたんしゅう)』巻九) (鎌倉末期の説話集)
「ヒイヨロヨロ ヒイヨロ ヒイヨロ ヒイヨロ」 (狂言「柿山伏」)
「ぴーよろよろ」
「ヒイリヨリヨ」  (『醒睡笑』)(江戸初期の笑話集)(寛永年間、1624-43年)
「ヒイヤロメ」 (『華ゑくぼ』)(1793年成立)(※「ひい野郎め」と聞きなしたもの)
「ヒューイヤロー」 (河野晴臣編『鷺流狂言手附本』)
「ピーヒョロ」 「ピーヒョロー」 「ピーヒョロヒョロ」 (*)
「ピーヒョロヒョロ」 
「ひーひよろ、ひよろ、ひーひよろひよろ」
「ピーヒョロロ」 (*)
「ピーヒョロロロ」 (*)
「ピーヒョロロー」
「ヒロロ」 (秋田)
「ピンヨロー、ピンヨロー」 (*) (葛原しげる作詞「とんび」)
                   (『大正少年唱歌(一)』大正七年、に最初に掲載)
「ぴんひょろ」 (奈良県など)
「ぴろろん」  (椋鳩十『山窩調』)
「とろろ」  (栃木県河内郡)(山梨県東山梨郡)(新潟県中魚沼郡)  
「ひょろひょろ」  (三重県、津付近)    
「拾(ひい)ろた拾(ひい)ろた」
       (『囃(はなし)物語』)(江戸の笑話集)(1680年成立)
「ひいるぬす人」 (『醒睡笑』)(江戸初期の笑話集)  (※昼盗人、の意味)
「ピーン、ホロホロ」 (飛騨地方)      
「ピーン、ヒョロヒョロ」 (川口孫治郎氏の郷里=和歌山県)
「ピイーヒャラーヒャラ」 (名古屋) 
トラツグミ(虎鶫) 「寂しい」
「サビーシー、サビーシー」(長野県佐久地方)
(野鳥編集部「鳥の声のききなし」野鳥 Vol.46,No.4,p.18-20,1981年)
「寂シイ・寂シイ」
「シー」 「死」 (愛知・滋賀)  (※トラツグミは、怪鳥ヌエ(鵺)の正体だという)
「ヒー、ヒー」 「火、火」 (新潟の柏崎地方の谷根(たんね))
「ヒーヒー」  (悲しげな声で鳴く) 
「ヒーヒョー・ヒーヒョー」と連続し、ヒーは高く、ヒョーは低い
「ピー… ヒョー… ピー… ヒョー…」
「ヒョー、ヒョー」
「ひようひー」
「ひーひよー」
◆「休戯(ひゅうひい)」
「ヒューヒー」 (江戸時代)
ニワトリ(鶏) 「コケコッコ」「コケコッコー」「コケッコー」「コッケコー」「コケコー」
    (庭鳥)     (※オンドリの鳴き声)
「コケッ・コッ・コウ」
「かけろ」   (平安時代の神楽歌)  
「かけろ」   (江戸時代の歌人、香川景樹)  (※「駆けろ」の意味を掛ける)
「コキャアロウクウ」「コキャーロークー」(狂言「鶏聟(にわとりむこ)」)(大蔵流)
「コックヮクォー」「コッカヤッコー」  (和泉流狂言)
「トッテコー」  (鷺流狂言)
「とってかう」「かっけこう」 (『醒睡笑』巻一)(江戸初期の笑話集)
「トッテコー」「カッケコー」 (※脚気(カッケ)に効(コウ)あり、の意味をかける)
「取ってこう」  (鈴木棠三『日本俗信辞典』) 
「東天紅(とうてんこう)」 (狂言「佐渡狐」) 「トーテンコー」
   (東の空は紅、の意味)    (※ニワトリの夜明けを告げる鳴き声)
「トウテンコウ」「東天紅」
「東天光(トウテンクワウ)」  (『書言字考節用集』)(江戸初期の辞書)
「トッケイコウ」  (『詞葉の花』寛政八年刊)(江戸時代の落とし咄)
           (※「(娘と)取っ換えっこ」の意味)
「こけかう」  (『狂言鶯蛙集』)(朱楽菅江の詠んだ狂歌) 
   ※「こけかう(コケコー)」の声は「苔深(こけふか)う」の意味がかかっている。
◆「各曷課(こっかっこう)」
「各曷課(コッカッコヲ)」  「コッカッコー」 (『和漢三才図会』)
「滑稽稿(こっけいかう)」 「コッケイコー」
             (『西洋道中膝栗毛』二編上、明治三年)
「こけこっこう」  (夏目漱石『夢十夜』)
「コケッ」「コケコ」「コケコー」「コケコッコ」「コケコッコー」 (中里恒子『鶏の声』)
「ここここ」 (小林一茶『八番日記』) 
        (※「此処、此処(ここだよ、ここだよ)」の意味)
「こっこ こっこ」 (童謡、白鳥省吾「鶏と真珠」大正一〇年)
「米くれろう!」 (童謡、槇本楠郎「梟と燕と鶏」、昭和三年)
   (※「コメクレロー」は、「わしにも、うまい米をくれよ」の意味。)
「コックヮ ドゥードゥル ドゥ」(cock-a-doodle-doo)   (英語)

「コック・ア・ドウドル・ドウ」(cock-a-doodle-doo)   (アメリカなど英語圏)
「コクリコ」(coquerico)    「ココリコ」 (cocorico)   (フランス語)
「コクリコ」               (フランス)
「キーキリキー」 (kikeriki)      (ドイツ語)
「キッキリキー」            (ドイツ)
「クックルクー」 (chiccirichi)  (イタリア語) (※文献16(chicchirichi)は誤植)

「クックル・クー」          (イタリア)
「ククリク」             (ポーランド)
「クカレクー」              (ロシア語)

「キキレキ」            (ポルトガル)
「クックル」            (スペイン)
「チック・タラオー」    (タガログ語地域のフィリピン)
「コック・ロロ」        (インド)
「コッキョー ココ」 (kokiyo-koko)  (韓国)
「コッキョー・ココ」           (韓国)
「ゲルゲルゲル」 (咯儿咯儿咯儿)  (中国)(※「東天紅」は中国では「明け方の          東の空」の意味。「東天紅」という鶏の鳴き声は日本で考案された。)
「エッイッエッエッ」           (タイ)  
「エツ・イツ・エツ・エツ」        (タイ)  
「ククルユッ」 (ku-ku-ru-yuk)   (インドネシアの中部ジャワ)
「クク・ル・ユツ」            (インドネシア中部ジャワ)
「コンケロンゴ」 (kong-ke-ro-ngo) (ジャワ島西部)
「コンケ・ロ・ンゴ」           (西部ジャワ)
「コッケ・コ・コーコ」         (アラビア語圏のサウジ)
「アコーコー」             (ナイジェリア)
「コケリーコ」           (エスペラント語)
「コケッ・コー」       (ニュージーランドのマオリ族) 
「ゲル・ゲル・ゲル」   (中国)   (※ただし、統一された表現はないという)
「アアア・アアア」      (ベトナム語)   (※ターザンの叫び声のように聞く)
ノジコ (野路子) 「金からかみ、金屏風 (きんからかみ、きんびょうぶ)」    (注)からかみ=唐紙
「チッ」 (地鳴き)
「チョンチョンチーチュチュチュチー」 (雄のさえずり)
「ちちゝゝゝひりりりーる」
ハシボソガラス 「ガアガア」 (*)
 (嘴細鴉) 「があがあ」 (近松門左衛門の浄瑠璃『用明天皇職人鑑(かがみ)』)
「ガーガー」
「ガアー・ガアー」
「ガァーガァー」
「嬶・嬶」  (江戸時代。女房を呼ぶ声)
「畫は雅(ガはガ)、画が偽(ガがギ)」
「率(いざ)わ、率(いざ)わ」 (『日本書紀』、ヤタカラスの声)
    (※さあさあ早く、の意)
ハシブトガラス 「かわい、かわい」
 (嘴太鴉) 「かわいかわい(可愛可愛)」 「かわいいかわいい(可愛い可愛い)」
「カワイ、カワイ」  (若者の聞きとり方)
「かか」  (『枕草子』)
「カラ」 (奈良時代) (ただし、記録にはこの語形は残っていない)
  (※「からす」の語源。「カラ」+「ス」。「ス」は鳥類を示す接辞語)
「コロ・コロ」「カラ・カラ」  (奈良時代)
「コカ・コカ」「子カ・子カ」  (鎌倉時代)
「子か子か」 「こかこか」  (『醒睡笑』)(江戸初期の笑話集)
「子かあ子かあ」 「こかあこかあ」 (狂言の「竹生島詣」)
「買(か)うたか買(か)うたか」 
        (『囃(はなし)物語』)(江戸の笑話集)(1680年成立)
「買(か)うた買(か)うた」  (『醒睡笑』)(江戸初期の笑話集)
「カーカーカー」 (*)
「カアカア」 (*)
「カーカー」 (*)
「カアー・カアー」
「カァーカァー」
「かあ かあ かあ」
「かあかあ」  (『新ぱん浮世絵尽(づくし)』)(江戸時代の絵本)
「かかあかかあ」 (四方赤良編『徳和歌後万載集』)(江戸時代の狂歌集)
  (※「嬶嬶」の意味。「かかあ」は自分の妻のこと)
「児(こ)ろ来(く)」 「コロク」(『万葉集』巻十四、東歌)
     (※君がおいでになる、の意)
「コロク」「ころく」「子等来」 (万葉集・東歌)
「バカァ」 「アホウ」

「アハハ、アハハ」 (*)
「アアアア」 (高田与清(ともきよ)『松屋筆記』)(江戸の国学者)
「アーアー」  (*)
「アホー」   (関東)
「アホウ、アホウ」(山東京伝『繁(しげしげ)千話(ちわ)』)(江戸時代の戯作者)
「阿呆阿呆(アホウアホウ)」
「阿呆・阿呆」  (江戸時代。こう聞きとって、俺を馬鹿にするのか、と怒っていた)
「阿呆」
「アラ~ アラ~」
「おっかあ!」
「あっそう!」
(ハト) (→アオバト、キジバト、シラコバト、ドバトを参照)
ヒガラ(日雀) 「チビリ、チビリ」  
「チョチン、チョチン」 「提灯々々」
「チチンチチンチチン」
「ツピン、ツピン」
ヒクイナ  「キョッ・キョッ・キョッ」  (※戸を叩く声)
 (緋水鶏) 「キョッキョッキョッ」  (夜間) (クイナの戸をたたく音)
ヒバリ(雲雀)     「日一分(イチブ)、ヒチチブ、ヒイチブ」 (飛騨地方)(砂田利一郎氏等の示教)
「日一歩、日一歩」 「ピーチブ、ピーチブ」
「ピーチク・ピーチク」
「ピーチュクピーチュク、チュクチーチー、ビュルビュル」
「シンシブ・シンシブ・リトル・リトル」(上る時)  「スキンシブ・スキンシブ」(下る時)
「日一分(ぶ)、日一分(ぶ)、月二朱(しゅ)う」
「ヒイチブヒイチブ」「日一歩、日一歩」(上がるとき)   「月二ぃ朱ぅ」(降りるとき)
「日一分、日一分、月二朱、月二朱」
「日一歩、日一歩、月二い朱う(ヒイチブ、ヒイチブ、ツキニイ シュウ)」
「日一歩、日一歩、月二朱」(鹿児島県地方) (借金取りに見立てて)
 昇るときは「日一分、日一分(ヒイチブ、ヒイチブ)」。
 降りるときは「月二ぃ朱ぅ(ツキニィ シュゥ)」。
「日一分、日一分、日一分」は昇りの時の声にて、降りの時は「月二朱ウ・・・・」
 と啼くと昔から言う(福田吉郎兵衛氏の垂教)。
「日一分、日一分、利取る、月二朱」
「日一分」(昇るとき)    「月二朱」(降りるとき)    (金貸しにまつわるもの)
「日一分、利取る、利取る」
「日一分日一分利取る利取る」
「日一分、日一分、利取る、利取る」
「日一分、日一分、利取る、利取る、月二朱、月二朱」
「日一歩・日一歩・利トル・利トル・月二朱・月二朱」  (高利貸しの鳥)
「日一歩・日一歩・月二朱・月二朱・利ィ取る利ィ取る」
「一升貸して二斗取る、利(りい)取る利(りい)取る」
「一升貸して二斗取る、利(りい)取る利(りい)取る、
 利に利(りい)食う、利に利(りい)食う、後(のち)に流すー」
「一升貸シテ二斗取ル、利取ル利取ル、利ニ利食ウ、後ニ流ス」
「借って利やくう利に利やくう、利やくう(カッテリヤクウリニリヤクウ、リヤクウ)」
「利に利(りい)食う、利に利(りい)食う、後(のち)や流すう」
「利(り)ニ利ヤ喰ウ、利ニリークー、・・・(反覆)・・・後(のち)ヤ流スウ」
「天へ上ろ上ろ天遠いわい(テンヘノボロ ノボロ テン トオイワイ)」
昇るとき「借って利やくぅ利二利やくぅ,利やくぅ(カッテリヤクゥリニリヤクゥ,リヤクゥ)」
降りるとき「天へ上ぼろ上ぼろ、天遠いわい(テンヘノボロノボロ、テン トオイワイ)」
「借ッテ利ヤクウ利ニ利ヤクウ、利ヤクウ。天ヘ上ボロ上ボロ天遠イワイ」
 昇るとき(上り・のぼり)「借ッテ利ヤクウ利ニ利ヤクウ、利ヤクウ」
 降りるとき(下り・くだり)「天ヘ上ボロ上ボロ天遠イワイ」
 「天カラ小便シヨシヨ、天モッタイナイ、オリテシヨ」 (と云って下るともいう)
      (笠松整一、県勧業時報)
「天に昇って小便しょ・天もったいない降りてしょ・降りてしょ」
「天まで昇ろう、天まで昇ろう」
「テンマデノボロウ、テンマデノボロウ」
「天まで昇ろう・天まで昇ろう(上昇のとき)」
「お天道様さ金貸したお天道様さ金貸した利ー取る利ー取る
 (おてんとさまさ かねかした おてんとさまさ かねかした りーとる りーとる)」
「お天道様に金貸した、日一分、日一分、日一分、(空に上がるとき)
月二朱、月二朱、月二朱、利取る、利取る、利取る(下りるとき)
「(下降)降りょー降りょー」
「降りよう、降りよう、降りよう、降りよう」
「オリヨウ、オリヨウ、オリヨウ、オリヨウ」 (下って来る声)
「貸金貸金天道返せ・貸金貸金天道返せ」
「水(ミズ)ハホントニクレタンネ」(白馬山麓あたり) (小谷口碑集)  
「餅食べろ餅食べろ、ひと切れぺろりひと切れぺろり、もっと食べろもっと食べろ、もう駄目だもう駄目だ、おなかくちーいくちーい」
「米一斗五升・それで首切るか・さあ切れさあ切れ」
「庄、新原、今在家、鹿部」(福岡県古賀町) (地名に模して)
ヒヨドリ(鵯) ◆「奇異奇異(きいきい)」     
「じいじい」
「ヒーヨ」   (この鳴き声に「トリ」をつけて「ヒヨドリ」となった。)
「ピーヨ」
「ピーィ」
「ピィッ・ピィッ」
「ピィーピョロロ」
「ぴよぴよ」
「ピーヨ・ピーヨ」
「ピイヨー・ピイヨー」      (※鳴き声がそのまま鳥名となった好例)
「い~よ、い~よ」
「はくしょん!」         (お風邪?)
ビンズイ 「ビン・ビン・ズイ・ズイ」    (※鳴き声がそのまま鳥名となった好例)
 (便追)
 (山雲雀)
「つーつー」
フクロウ(梟) 「襤褸(ぼろ)着て奉公(ほうこう)」     
「ぼろ着て奉公」

「ぼろ着て奉公 (ぼろきてほうこう)」
「ぼろ来て奉公、ゴロスケ、ホッホ」
「ボロ着テ奉公」
「ボロ着て、奉公」
「ボロ着て奉公(ホーコー)」
「ボロキテホーコー」「ぼろ着て奉公」
「ぼろ着て奉公しよ」 (岡山県の西の方)
「太郎遊蕩、襤褸着て、奉公(タロウユウトウ、ボロキテ、ホウコウ)」
  (千葉県五井)   (川口孫治郎『日本鳥類生態学資料』1937)
「ボロキテトウコイ」(山口県の大島)(フクロウの別名:ボロコキ)
    (トウコイ:早く来い)
「ボロ着て早(と)う来い」
「ボロきて今日(きょう)来い」
「ボロ着て来い来い」
「ボロキチ」 (栃木県の宇都宮付近)
「五郎助奉公(ごろすけほうこう)」

「五郎助、奉公」
「五郎助」 「奉公」   (志賀直哉『焚火(たきび)』)
「五郎助・ドウシタ」
「五郎助どうした・酒でも飲もか」
「五郎七(ゴロシチ)ほうこう ただ奉公」 (静岡県)
★「五郎七ほうこう」 (片田舎の人)
「五郎七奉公」  (江戸時代)
「五郎七奉公(ホーコー) ただ奉公(ボーコー) 三年たっても無駄奉公」
    (岡山県)
「ゴロットホーコー」 (千葉県から茨城県へかけて)
「ゴロッボーコー」
「ゴロスケ、ホッホー」
「ゴロスケ・ホーホー」  「ギャーハヤー」  「ホッホッホッ」
「ゴロ助ホーホー」
「五郎助ポーポー」 (5,6歳の吹田順助が東京で明治22年頃に聞いた鳴き声)
「ゴロスケ、ホウホウ」
「ゴロスケ、ホッホ」
「五郎助奉公、ボロ着て奉公」
「五郎助奉公・糊付け干ーせー(ごろすけほうこう・のりつけほーせー)」
「五郎助、どうした、おさよ(=キセキレイ)はまめなか」 (三重県津市)
   (川口孫治郎『日本鳥類生態学資料』1937)
「ホーホ 五郎助どうした 酒でも飲んだか」 (伊勢から三河遠州の方面にかけて)
「ホーッホー、ゴロスケ、ドウシタ、オサヨハマメナカ」 (伊勢津付近)(オサヨ:佳人)
「ホーホー ゴロスケボーコー」

「ホーホーグルスクホッホー」 (高野伸二『野鳥小図鑑』)
「ホッホ、グルスク、ホッホー」
「ホッホウー ゴロクト・ホッホ」 (福本和夫氏による)
「ホッホーゴロクトホッホ」
「ホホウ ゴロスケホッホ」 「ホーホー、ゴロスケホーホー」
「ホッホ、ゴロスケホッホ」 
「法保(ホウホウ)」   (お伽草子『鴉鷺(あろ)合戦物語』)
               (※フクロウが、法保(のりやす)の名前で現れる。)
「糊つけ干(ほう)せ」
「糊ツケ干セ」
「糊(のり)つけ干(ほ)せ」
「糊付け干うせ」
「糊つけ干うせ」
「糊つけ乾うせ」
「糊つけ乾(ほう)せ」
「ノリツケホーセ」  (東京の付近から信州北国にかけて)※
(あしたはお天気だ、洗濯物に糊を付けて乾すにはよい日だ、と教えていると想像)
(※真田信治『方言の日本地図 ことばの旅』講談社+α新書、2002年、によれ
ば、この聞きなしの地域は、島根から秋田にかけての日本海側と愛媛で、東京付
近は含まれていない。国立国語研究所の『日本言語地図』1966~74年、参照。
「糊つけ」「ホーセー(乾せ)」「あすは天気」
「糊つけ、ホーセー、ホホ」 (飛騨、大野郡・吉城郡)
「ノリツケ、ホーホー」(山形県最上郡)
          (川口孫治郎『日本鳥類生態学資料』1937)
「糊つけ ほほん」    (小林一茶『七番日記』)
「糊つけほほ」 「糊つけほうほ」
「ノーツキホーホ」 (富山県の田舎)
「ノラスケホーホ」(仙台など)     (※ノラスケ=なまけ者)
「ホッホ、ノリスリオケ」
「ヌリツケ、ホーホー」
「ニイツケ、ホーホー」
「でれすけ、ホーホー」
「デレスケホーホー」
「ダラスケデアホー」
「ほほう 糊すりをけ 糊すりをけ」(歌謡『多武峯延年詞章』「開口鳥管絃之事」)
「ほほん、のりすりおけ」  (狂言「梟」、「大蔵流虎明本」)
「糊摺り置け」
◆「方伊方伊(ほういほうい)」(雄)        「久伊久伊(くいくい)」(雌)
  「乃利須里於介(のりすりおけ)」(晴れるとき)(※糊を摺って用意しなさい)
  「乃里止利於介(のりとりおけ)」(雨が降るとき)(※糊をとっておきなさい)
     (※晴雨を占う。天気予報をする。)
「ノリスリオーケ」(晴れ)  「ノリトケオーケ」(雨)     
「ノリスリオケ」(晴天になるとき)  「ノリトケオケ」(雨天になるとき) 
「糊すり置け」(晴れる時)、「糊とめ置け」(雨が降る時)
「ノリスリオケ」「のりすりおけ」「のりすりをけ」「糊擂り置け」 (ふくろうの天気予知では翌日は雨になるから、前もって糊づけものをしておくように、の意味)
「ノリツケホーセ」「ノリツケホーソー」
「ホーホー ノリツケホーソ」(晴れ) (兵庫県豊岡市)
 (洗濯物に糊をつけて干そう、という意味)
「オーオー」(雨) (兵庫県豊岡市) (あしたは雨だという晩の鳴き声) 
「ホーホー ノリツケホーソー」(晴れ)、「ホーホー ドロツケホーソー」(雨)
                    (鳥取県八頭郡八東町)
「ノリツケ ホーソー」(あした天気になるというとき) (鳥取県八頭郡八東町)
「ドロツケ ホーソー」(あした雨というとき)
   (あした洗濯物をしては泥をつけるようなものだと、ふくろうが注意してくれる)
「ほーほー糊付けほーそー」(晴れ)、「ほーほー泥付けほーそー」(雨)(鳥取県)
「ノリツケホーセン」(晴れ)、「フルツクフーフー」(雨)  (山口県阿武郡須佐町)

「糊付けほーせん」(晴れ)、「ふる付くふーふー」(雨)  (山口県)
★「のりすりおけ」(挙白集)   (※をのれが毛衣の料にやと有)
「フルウ、ツクノコ、糊を磨(す)りおけ、明日(あす)は日和(ひより)」 (紀伊)
「フルウツクの子 糊をすり置け あすは日より」(和歌山・徳島・香川・広島県)
   ※フルツク:フクロウのこと(中国・四国地方)
「フルツク フーフー ボロキテ コイコイ」 (山口県萩市)
「風呂ふき大根」
「グルッウッ・ゴロッ・ウオーウー」
「小僧鼻糞食うかあ」
「小僧、鼻くそくうかあ」
「小僧鼻くそ食うか」
「トロッコ、トートー、鼻くそ食わしょ」
「コーゾー、ハナクソ・クーカァー」(小僧、鼻糞食うかあ)(九州)(コーゾー:梟)
「小僧鼻糞喰ウタカ」
「かうぞうはなくそくうたか」
 (九州梟を、英彦山では、鳴き声からきた「コウゾウ」の方言で呼んでいる。)
「コ-ゾー」 (九州の稍弘い区域)  (コウゾウ:福岡・熊本県でフクロウのこと)
「コーゾー、カレクソクエ」     (肥後熊本付近)
「こーぞーかれ草食うか」 (肥前の南高来郡の一部)※鳥と小僧との童話あり
「こーぞー、この月ゃどーかー」(長崎)
★「此月 とつ くわう」 (薩摩)            
「この月とっくおう(取っ食おう)」    (※今月、取って食おう、の意味)
「コーゾー、ゴロクト、ホーセー」  (豊前田川地方)
「ゴロクト ホーシェン ホホン」 (鳥取県倉吉市)
  (五、六斗の穀物を干しなさい、の意味で、こういう声で鳴けば、あしたは晴。)
「ホホン ホホン」(雨になるとき)
「ドーコー、カネツケ、ドーコー」 「ドーボー、カネツケ、ドーコー」(肥前多良地方)
「ドロスコ、ドーコ」 (佐賀県唐津市)
「コーソー、ベーソー、鼻くそ食うぞー」  (福岡県)
「ゴロクソヘーゾ」 (筑後)
「コジョロ 戻ってねんころせ」(柳田国男の生まれた中国の或村)(兵庫県)
 <コジョロ(梟):小女郎=小さな女児> ※梟よ、家に還って寝えよ、の意味
「小女郎、戻って、寝んころせ」
「ツクロウ」   (※夜が明けたら巣作ろう、と啼くという)
★「夜明なば巣つくらう」  
「夜(よ)明(あ)けなば巣つくろう」 (江戸時代)  (口に言うばかりで実行の
 伴わない怠け者を意味する。梟の生態をとらえたもの。)
「オットーン、オットーン」   (遠野物語)
「フクロー、フクロー」
ブッポウソウ (→コノハズクを参照)
 (仏法僧) 「ゲッ・ゲッ・ゲツ」 又は 「ゲーッ・ゲゲゲ」 (昼間のみ鳴く)
「ギャー、ギャー」と聞こえる悪声(姿の仏法僧、鳥の仏法僧)
「ゲッ、ゲッ、ゲッ」 
「ゲエッ・ゲエッ」又は「ゲゲゲゲッ・ゲーゲゲゲゲッ」
「げげつげげげ」
ホオアカ(頬赤) 「へっぴり、老爺お茶あがれ(ジッチャオチャアガレ)」
「へっぴり老爺お茶あがれ(ヘッピリジジチャオチャアガレ)」
「ヘッピリ、ヅツチャ(老爺)お茶あがれ」(秋田県花館村)
 (石沢健夫「鳴声の聞きなし」野鳥Vol.2、No.7、p.25,1935)
「ヘッピリ・ゾッチヤ(老爺)お茶あがれ」
「四十九日の餅コつけ」
「カッチ・ツチハシ・ツルギザキ(甲地・土橋・鶴木崎の地名)
「チョッピン、チチョチュピ」
ホオジロ(頬白)     「一筆(いっぴつ)啓上(けいじょう)仕候(つかまつりそろ)」 
  (※自然選書版には誤植があり、「つかまつり」が「つかまり」になっている。)
「一筆啓上仕候(イッピツケイジョウツカマツリソウロウ)」
   (越谷吾山『物類称呼』1775)(=『古事類苑』1910、所収)
「一筆啓上仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」


「一筆啓上、仕(つかまつ)り候(そろ)」
「一筆啓上 仕(つかまつ)らん。チンチクチロ兵衛 褌(へこ)いらん。
弁慶、皿持ってこい。シュッシュハシュッ」    (佐賀の民話)
「一筆啓上仕候」「弁慶皿持ツテ来イ」
「一筆啓上仕候、チキチン」
   (川口孫治郎の郷里=和歌山県など近畿を中心として東国へも広く)
★「一筆令啓上候」 (東国) 
「一筆啓上せしめ候」 (関東) 
「源平躑躅(つつじ)、茶躑躅」
「源平ツツジ、茶ツツジ」
「源平つつじ、茶(ちゃ)つつじ」
「源平つつじ白つつじ(げんぺいつつじしろつつじ)」
「源平つつじ、白つつじ」 (関西地方)
  (籾山徳太郎「ホホジロの啼声の聞きなし方」 
     野鳥  Vol.10、No.7、p.48-9,1943)
「源平ツツジ、白ツツジ」

[源兵衛千代チイチク」 (上総・香取郡) (籾山徳太郎、1943)
「丁稚(でっち)鬢付(びいんつけ)何時(いつ)つけた」
「丁稚鬢付け何時つけた(デッチビンツケイツツケタ)」 
「丁稚ビンツケ・何時付ケタ・何時モハ付ケンガ・今日付ケタ」
「丁稚びんつけいつつけた」
「丁稚、びんつけいいつけた」(誤植?)
「でっちびんつけいつつけた」
「でっちびんつけ紅つけた」
「丁稚賓附何時つけた」(飛騨で最も普通に呼びなされているもの)
   (賓附:原文のまま)
「去年の三月つけました」 (飛騨、吉城郡)(上に対する返答として訳したもの)
「何時(いつ)もつけんが今日つけた」
「何時(いっつ)もつけんが今日つけた」 (美濃郡上郡高鷲付近)
「チッチ・ピー・ツッツ」   (※若者達の意味不明の聞きなし)
「ちっぺ死んで四十九日」
「チッペ死んで四十九日」    (チッペは嬰児の方言)
「チッペ死ンデ四十九日」 (※イカルの聞きなしというが、ホオジロの聞きなしのはず。)
「チョッピーチチ、チチルチチルチチ」
「ちょっぴり小遣いあげてほしい」
          (BIRDER.jpスタッフの子どものころのフィールドノート)(自作)
「びっくりしたのはお芋さん」              (同上フィールドノート)(自作)
「まったくできない期末試験」             (同上フィールドノート)(友人作)
「父父(ちちちち)」(『醒睡笑』)(江戸初期の笑話集)
     (ホオジロ類の鵐(シトド)の声)
◆「知里里(ちりり)」  (片鈴<かたすず>の鳴き声)
  「知里里古呂呂知里里(ちりりころろちりり)」(諸鈴<もろすず>の鳴き声)   
「チチリ」(片鈴)、 「チリリコロロチリリ」(諸鈴)   (月令博物筌)
「チリリ」(片鈴)、 「チリリコロロチチリ」(諸鈴)  
★「ちちり」(片鈴)、 「ちりりころろちちり」(諸鈴)    
「チチッ、チチッ」
「ヒツツ・ヒツツ」 (地鳴)
「ひ、つつ」    (「ヒトト」「シトト」の方言名は、この常鳴きから)
「取って5粒2朱負けた(トッテゴツブ ニシュマケタ)」 (横浜)
「取って五粒二朱負けた」 (横浜)
「取ッテ五粒・ニ朱負ケタ」
「ツンと五粒二朱負けた」(遠州)  
「つんと五粒二朱まけた」(遠州)   
「ツントイツツブニシュマケタ」(遠江国) 
  ※博打で、小玉銀五粒と二朱負けた、という意味
★「つんと五粒(いつつふ)貳朱まけた」 (遠州)
「つんと五粒二朱負けた・五文もらって元にした」
「てっぺん一六、二朱負けた」 (東海地方)
「てっぺん七郎又八郎」
「一朱、五朱負けた」
「一朱二朱掛けて二分負けた」
「一朱二朱賭けて二分負けた」
「文久一文二朱負けた」
「おらがとと三八(さんぱ)二十四」(薩州)                      
★「をらがととは三八二十四」(薩摩)  
「オラガトトハ三八二十四」(薩州)  
※トトは亭主のことで、若い嫁御さんをひやかした言葉。九九の声を添えている。
「節句節句にもちついてくれる」 (那須)
「あっと驚く為五郎~」
「あっと驚く為五郎さん」   (高尾山にて小学生の聞きなし)
「アット驚く為五郎」
「ニッポン勝ってロシア負けた」  (日露戦争時のもの)
「さっぽろらあめんみそらあめん」  
「サッポロラーメン、味噌ラーメン(サッポロラーメン、ミソラーメン)」
「さっぽろラーメン・みそらーめん」
「札幌ラーメン、味噌ラーメン」
「札幌らーめん、味噌らーめん」
「札幌ラーメン、塩ラーメン」
「札幌ラーメン塩ラーメン」
「京浜急行三崎口」(終着駅をいいます)  (柴田敏隆氏の住む土地、横須賀市で)
「借金、銭よこせ(シャッキン、ゼニヨコセ)」
「借金銭よこせ」 (陸奥・八戸)   (籾山徳太郎、1943)
「ちょんこめつけもちつけよ」 「ちょん米つけもちつけよ」
「弁慶米つけ(ベンケイコメツケ)」
「ベンケイ米つけ」  (秋田県花館) (石沢健夫「鳴声の聞きなし」1935)
「弁慶皿もて来い汁吸わしょ」
「弁慶皿もてこい、汁すはつしゆ」 (熊本) 
「弁慶皿もて来い、汁すはつしゆ(汁すわっしゅ)」 (熊本市付近)
「弁慶皿持ってこい・汁吸わしゅ」
「ワキンチョイ、皿持ッテコイ、鰮(いわし)ノ頭ヲツンデカモ」(意味は不明)(安部幸六)
「ちんちろ弁慶」
「ちんちろ弁慶皿持って来い」
「ちんちろ弁慶皿持ってこい」
「チンチロ・弁慶・皿持ッテ来イ」
「チンチクロウ・八郎兵衛」
「一か八か賭けてみろ」
「一か八か賭けて損したチチッ」
「一杯アイスクリーム、ツツ」
「一寸ねーちゃん酒もって来い」
「ちょっとねーちゃん酒持って来い」  (※子供の聞きなしという)
「シトトのキンタマ、イツツボニシュ」(飛騨の下呂付近)(籾山徳太郎、1943)
「シトトのキンタマ、イツツボ二シュウ」(下呂付近)(中山源次郎氏の垂教)
  ※シトト(ホオジロ)、イツツボ(五粒)、二シュウ(二朱)
ホトトギス 「天辺かけたか(テッペンカケタカ)」 (江戸) (『古今要覧稿』) 
 (不如帰)
  (杜鵑) 「てっぺんかけたか」
  (時鳥)
  (子規) 「てっぺん欠けたか」
「テッペンカケタカ」   


「テッペン、カケタカ」
「テッペンカケタカ」 (オス)、「テッペンカケヤシタカ」(メス)
    (御伽草子『時鳥』1773)
「天辺翔けたか」 (※一番高いところを飛んだか、の意味)  
「天辺駆けたか」
「天辺・掛ケタカ」「天辺・欠ケタカ」
「天辺欠けたか本尊欠けたか(てっぺんかけたかほんぞんかけたか)」
「テッペンカケタカ」「テンペンカケタカ」「天辺かけたか」「てっぺん掛けたか」
「トッタンカケタカ」「トッツァンカケタカ」(大分・島根県の方言)
「てっぺん欠けたか」
「トッピンカケタカ」
「テッペンハゲタカ」(言ばの泉) ※江戸児のざれ訛りであるに相違ない(川口氏)

※「てっぺん禿げたか」は、落合直文著『ことばの泉 日本大辞典』(大倉書店、明治31年初版)の「ほととぎす」の項目の中に見える。従って、川口氏の著書の中の出典を示す(言ばの泉)は誤りである。
「天辺・禿ゲタカ」  (戦後)
「テッペンハゲタカ」
「本尊かけたか(ホンゾンカケタカ)」
「本尊掛歟(ホンゾンカケタカ)」 (『古今要覧稿』に、京師にては本尊掛歟といふ)
◆「本尊掛歟(ほぞんかけたか)」  

「ホンゾンカケタカ」   「本尊掛けたか」  
 ※モズが唐から本尊の掛図を盗んで来たのを知って、いつも啼くという。
「ホゾンカケタカ」(京都付近、備中浅口郡)
「ホリンカケタカ」(保護鳥図譜)
「ホットンカケタカ」(山城久世郡高野(かうの)あたり)
「ホッチョンカケタカ」(大和多武峰付近)
「ホンチョンカケタカ」(山城大原地方)
「ホウガンカケタカ」(岐阜市付近)
「ホウガンカケタカ、ブクソナヘタカ」(美濃揖斐郡)
「プッカイカケタカ」(保護鳥図譜)
「本尊描けたか」
「本尊掛ケタカ」
「ホンゾンタテタカ」
「ホンゾンタテタカ」(紀伊八幡(やはた)地方)
「本尊買うたか」     (民話)
「本尊買ッタカ」     (※仏壇に)    
「本尊建てたか」
「本堂建てたか」     (民話)
「ホンドウタテタカ」(山城八瀬地方)※寺の本堂建立の資金を他の鳥に貸し付けたのに期限を過ぎても何の沙汰もないので、本堂建てたかと催促するようになったという伝説。
「トッテカケタカ」  「捕って掛けたか」 (伊予の大洲あたり)(愛媛県喜多郡) 
 ※「モズがホトトギスへ借りを返すために蛙などを捕って枯枝の先に突き
   刺して置く約束」に対する催促。
「取ッテ掛ケタカ」   (※百舌に向かって)
「原稿・書ケタカ」
「本論書けたか」(そう鳴いたら、「序文はどうした」と返すのだという)
(2013年10月24日付けの登山家・教育評論家である
高田直樹氏
からのメールによる。丹波の園部町出身の亡父から教えてもらった聞きなしだということである。)
「一本つけたか」
「ミヨちゃんかかさん」
「借金取ったか」
「おとっあんこけたか」
「かっちゃんとけたか」 

(由来Ⅰ「ホトトギスと継子」・・・かっちゃんという女の子の髪はほぐしにくく、いつもお母さんがゆでのばしてといていた。お母さんが亡くなり、二人目の母はといてくれない。死んだお母さんがホトトギスになって、心配して「かっちゃん(の髪は)梳けたか」と鳴くという。)

(由来Ⅱ「ホトトギス兄弟」・・・両親のない兄弟がいた。弟はかっちゃんといい、目が見えないので、兄が山芋を食べさせていた。兄が山芋のおいしいところを食べていると弟が疑っているので、兄は自分のお腹を切って見せたら、弟の目が見えて、兄がつけ根ばかり食べていることがわかるが、兄は死んで鳥になってしまう。ホトトギスになった兄は「かっちゃん、解けたか(わかったか)」と鳴くという。
「クツテカケタカ」「沓手(くつで)掛けたか」  (※モズへの馬の沓の代償の話)
「クッテタバラン」(『綺語抄』著者未詳)
            ※沓直鳥の故事から聞きなしたものであろう(川口氏)
「ホトトギス」 (『江談抄(ごうだんしょう)』)(平安時代)
「ホトトギス」   (※純日本の古来の聞きなしである。)
「ホットトギス」    
「ホッ・ト・ト・ギス」     (※鳥名の因)
「ホトツキト」(富士山麓地方)
「ホトタカチョ」(岩手県気仙郡)
「ホトトケボ」(鹿児島県)
「ホトトケサ」(鹿児島県)
「ホトトコエス」(岩手県九戸郡)
「ホトトゲス」(富山県)
「ホドドギス」(山形県村山地方)
「けさのあさけ なこ」 (796年、桓武天皇)(※今朝の朝方鳴く、の意味)
   (『類聚国史』延暦一五年四月五日)
「たひらはちよ(平らは千代)」(813年、藤原園人)(※泰平な世が千年も続く)
「ともにちよに(共に千代に)」(813年、嵯峨天皇)     (『日本紀略』)
「ときはかきは(常磐堅磐)」(『続千載和歌集』)
            (法性寺入道前関白太政大臣の歌)  
  (※永久に変わらないことを祝っていうことば。
     堅固な岩のように不変である、の意)
「ととさへ、かかさへ」「父へ母へ」 (名古屋付近) (ととさ:父、 かかさ:母)

「時過ぎにけり(トキスギニケリ)」 
「時すぎにけり」 (『万葉集』巻十四の東歌の結句) (東国)
(※後藤利雄『東歌難歌考』桜楓社、1969年、で初めて、鳴き声と指摘された)
「死出の田長(しでのたをさ)」 (古今和歌集) (ホトトギスの異名、鳴き声)
「シデノタヲサ」   (※伝説から生まれたホトトギスの異名が鳴き声となった。)
「シデタヲサ」
「ケフハトギソ(今日は砥ぎそ)」 (各務支考(かがみしこう)『牧童ガ伝』)
        (江戸時代)
 (※今日は砥ぐな、の意味) (砥取山(=砥石を取る山)で鳴くホトトギス)
「和尚とんでってこい」
「特許許可局(トッキョキョカキョク)」   (出典不明)

   ※中西悟堂氏が、知友某氏から聞いたもの。



「東京特許許可局」
「キョッ・キョッ・キョキョキョキョ」
雌はただ「ピ・ピ・ピ・ピ」と鳴く。
「オンチョン、チョケサコ、イモジョハニエタカ、トックリツケタカ、オッカッカ」
 (肥後国五箇荘地方、安部幸六氏採集)
「オタタカチョウ」 (宮城県遠田郡、牡鹿郡)
「オタタカチョ」 (山形県)
「オタタカショ」 (福島県)
「オットコイシ」 (北信の或山村)
     (※「夫恋し」妬み深い女房の魂が此の鳥に化身)
「オトットコイシ」    (信州の名郡)
「オトットコイシ」    (長野県北信地方)(この方言には物語りもある)
「弟恋し、掘って煮て食わそ」(能登・越中の境あたり) (※山の薯の昔話)
「弟(おとと)かわいや、ほーろんかけたか」 (奈良県添上郡に伝わる昔話より)
  (※『日本昔話大成』の「時鳥(ほととぎす)と兄弟」の伝説)
「オトトガカワイヤ」
「オトットキッタカキヨキヨキヨ」 (信州の名郡)
「オットキタカ、キヨッキヨッキヨッ」(信濃伊那大河原付近)
「オトットコロシ」  (信州の越後に接した郡)
「オトトツッキッタ」 (信州の越後に接した郡)
「オトットツキッチョ」 (東京府下の西部山村)
「オトノドツキッチョ」  (東京近くの青梅八王子)
                     (※継子のひがみから疑って弟を殺した話)
「オトハラツキッチョ」 (東京府下の西部山村)
「オトハラ、ツキッタ(弟腹、突った)」 (長野県)
「包丁(ホチョ・ホッチョ)かけた」  (遠野)   (柳田国男『遠野物語』53)
「ホチョカケタ」
「包丁かけた、弟恋し」     (「時鳥と兄弟」の昔話)
「ホーチョータテタ(包丁立てた)」 (岩手県)
「ホウチョツキッチョ」 (山梨県上野原地方)
「ホッタンタケタカ、イモクビクタカ(御飯炊けたか、芋首食たか)」 (大分県)
「オンタンタケチョコ・イモクビクタカ」(彦山)
 弟の竹太が病気で寝ている兄を看護していたが、兄が「弟は芋の良い所を食って、自分には蔓首のみ食わせている」と邪推して弟を殺し、弟の腹の中をのぞくと、蔓首のみとわかり、恥じて兄は自殺し、その霊魂が、このように鳴くと伝わる(安部幸六・1948年による)
又「トッケンタケタカ・イモクビクウタカ」とか「ハッチヤン・ドケタカ」とも鳴くともいう。
「おんたんたけちよこいもくびくたか」
「ツルクビクータカ」
「トツケントケタカ」
「ハツチヤンドケタカ」(西谷方面ノ人ガ主トシテ云フ、
        ハツチヤンハ勿論人名、ドケタカハ何処ニ行ツタカノ意) (英彦山)
「ホッチョンタケタカ」 (奈良県宇陀郡、長野県等)
「ホッチョカケタカ」 (信州南安曇郡、秋田県下)
「ホッチョカケタカ」 (飛騨高山付近、信濃伊那郡)
「タンタンタケショウ」   (肥後)
「タンタンタケシヤウ」   (肥後方言)  (『古今要覧稿』)
「タンタンタケジョ」(大分)  「タンタンタケシロー」
「ハッタンタケショウ」  (肥前)
「ハッタンタケシヤウ」  (肥前方言)  (『古今要覧稿』)
「ハットンカケタカ」(隠岐国知夫郡あたり)
「ウンテン・ペーガサー」(沖縄)   (『沖縄野鳥研究会編、1986)
「クンチャンカケタ」 (沖縄県国頭郡)
「ホトサクタ」       (奥州方言)  (『古今要覧稿』)

「ぽっと裂けた」
「ポットサケタカ アッタアッタタ(ぽっと裂けたか、在った在ったた)」 (岩手県)
「ホットトケチョ、ポットサケタ」
「ホットトケタカ」(紀伊有田郡中部)
「アチャトデタ、コチャトデタ、ボットサケタ」  (奥州、青森・秋田の昔話より)
 ※弟が、そっちへ隠れ、こっちへ隠れて、(兄に内緒で小鍋焼きを食べたら)
 背中(腹)が裂け、死んで、ホトトギス(異名:コナベヤキ、ナベコドリ)になった。
*「アホヤトデタ」とあるのは甲鳥書林版の誤植で、角川版「アチャトデタ」が正しい。
「アチャイッタガ、コチャイッタガ、ケッツァサゲダガ、オトトコイシー」(西根町)
「アチャトテタ」      (滝沢村)
「アッチャトッテッタ」   (二戸市)
「アッチャトンデッタ」   (盛岡市)
「アチャトデタ」 (岩手県、九戸郡、二戸郡、岩手郡)
「アチャトデタン・コチャントデタン」  (羽後大館)
「アチャトデタカ」 (鹿角郡の宮川村、又は南部の野辺地、盛岡)
「アチャトテタ、コチャトテタ」(青森県北津軽郡小泊村)
「あちゃとてたこちゃとてた」「アチャトテタベガナ、コチャトテタベガナ」(西津軽郡深浦町) 
「アッチャトッテタカ、コッチャトッテタカ、長八ドッチャイッタ、ドッチャイッタ」(三戸郡新郷村)
「あっちゃとてたー、こっちゃとてたー」(下北郡大間町)
「あつちやとてた、こちやとてた、ぽつとさけた」(岩手県胆沢町)(菅江真澄の日記)
         (※以上、昔話「時鳥と小鍋」)
「あっちゃとてたか こっちやとてたか」(西津軽郡木造町)(「鍋鳥になった盗人」の話)
「アチャトテタ」「アチャトンデタ」(あちらへ飛んでった、の意味)(青森・岩手・秋田県)
「どちゃへ飛んでた」         (盛岡)  (柳田国男『遠野物語』53)
「どこちゃへ飛んでた」
「トッツァ起キサッシャッタカ」 (飛騨、大野郡)
「トッツァオキサッシヤッタカ」 (飛騨大野郡)
「トッ・パ・ヅレ」   (江戸時代、千葉県・銚子)(句碑が建っている)
「ツイタテ トッタカ」 (2007年6月2日、大阪府泉南市新家団地、上野下池の近くで聞こえてきた鳥のさえずりが、作者(柴田)には、このように聞き取れた。あまり一般的でないさえずりかもしれないが、ホトトギスと思われるので、紹介しておく。)
マガモ(真鴨) 「ゲエ・ゲエ・ゲエ」
マヒワ(真鶸) 「ジュウエーン(10円)、ジュウエーン」   (青森県津軽地方)
(野鳥編集部「鳥の声のききなし」、『野鳥』Vol.46,No.4,p.18-20,1981)
「チュイーン」
「チューイン、チューイン」
マミジロ(眉白) 「キョロロン、チー」「キョロン、チー」「キョロロン、キョロロン」
「キョロン、チー」
「キョロンチリー」  (73.アカハラの説明文)
「キョロンツリィー、キョロンツリィー」  
「ちょぼいち」  (「ちょぼいち」とは、1個のサイコロの目を当てる博打のこと)
「チョポ・イチー」「チョロン・チイー」「キョロン・ツー」(※マミジロは山中の眉白の博徒)
「ちぼいち、ちぼいち」
ミゾゴイ 「イボー、イボー」    (「ヤマイボ」という異名は鳴き声に由来)
  (溝五位) 「イボォー、イボォー」
「ウォーフ」「ヴォーグー」「イホー・イボー」 (地方名:ヤマエボ、エボサギ)
ミソサザイ 「一ぃぴー、二ぃとく、三ぴー、四ぃなん、五ちいち(イチィピー、ニィトク、サンピー、
  (鷦鷯)  シィナン、ゴチイチ)、ぶんぷく、ちくりん、ちゃん」
「一ぃぴー、二ぃとく、三ぴー、四ぃなん、五いちぃ、ぶんぷく、ちくりん、ちゃん
(イチィピー、ニィトク、サンピー、シィナン、ゴイチィ、ブンプク、チクリン、チャン)」
「一ぴい二とく三ぴい四なん五ちいち(いちぴいにいとくさんぴいしいなんごちいち) ぶんぷくちくりんちゃん。」
「一ぴい、二とく、三ぴい、四なん、五ちいち、ぶんぷく、ちくりんちゃん」
「一ぃぴー、二ぃとく、三ぴー、四ぃなん、五いちい、ぶんぶく、ちくりん、ちゃん
(イチィピー、ニィトク、サンピー、シィナン、ゴイチイ、ブンブク、チクリン、チャン)」
「一ィピー、二ィトク、三ピー、シーナン、五チイチ、ブンプク、チクリン、チヤン」
川口孫治郎氏が、『続飛騨の鳥』(郷土研究社、1922年)において、「下呂地方の訳(やく)なりとて、中島定吉郎氏より教えられた」ものとして、大正7年1月に報告している聞きなしである(『全集日本野鳥記5』19頁参照)。
誤って引用している書物があるが、「五イチイ」ではなく、「五チイチ」が正しい。
また、『全集日本野鳥記5』所収の『続飛騨の鳥』では「ブンブク」(bunbuku)となっているが誤植で、原書の『続飛騨の鳥』(1922年)では「ブンプク」(bunpuku)とある。
(2007年6月7日に記録、6月10日に修正)
「一ィピー、二ィトク、三ピー、シーナン、五チイチ、ブンプク、チクリン、チャン」
「一ィピー・二ィトク・三ピー・四ィナン・五チイチ・プンプク・チクリンチャン(囀り)」
「一ピイ二イ得(トク)三ピー四イナン五チーチ文福チクリンチャン」
「チェッ」
「チョッチョッ」   (地鳴きはウグイスと似ている)
「ちゆ、ちゆ、ちゆ」
「チヤチヤツ」
「ミソツチヨ」
ムクドリ(椋鳥) 「ギャー」「ギュ」「キュル」
「ジュル」
「ぢや ぢや」   (小椋鳥)
メジロ(目白) 「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛(チョウベエ、チュウベエ、チョウチュウベエ)」(出典不明)     
  (繍眼児)


「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛(ちょうべい、ちゅうべい、ちょうちゅうべい)」
「長兵衛 忠兵衛 長忠兵衛」 (ちょうべい ちゅうべえ ちょうちゅうべえ)
「千代田の城は千代八千代(チヨダノシロハチヨニヤチヨニ)」 (原文のママ)
「千代田の城は千代八千代(チヨダノシロハチヨヤチヨ)」  (出典不明)
「千代田ノオ城ハ・千代八千代)」
「チルチルミチル青い鳥」
「チーチュルチーチュルチーチーチュルチー」
「チルチルミチル」
「チイチイチイ」
◆「豆伊豆伊(ついつい)」  
◆「比伊豆留(ひいつる)」  
メボソムシクイ 「銭取り」
  (目細虫喰) 「銭取り、銭取り(ゼニトリ、ゼニトリ)」      (出典不明)
「ジュリジュリ」
「ジョロジョリ、ジョリジョリ」  
「リュッ、リュッ」
「銭とり、銭とり」
「銭取リ・銭取リ・銭取リ」   (※現在、全盛となっている聞きなし)
「塵、塵、塵、ごみ取れ、塵取れ、塵取れ
 (チリ、チリ、チリ、ゴミトレ、チリトレ、チリトレ)」
「塵・塵・塵・ゴミ取レ・塵取レ・塵取レ」
モズ(百舌) ◆「苦苦(くうくう)」     
   (鵙) 「コトゴトシク」 (『利頼髄脳』)(平安時代の歌論集)  (※大げさな、の意味)
  (百舌鳥) 「キイー・キイキイキイ」  (けたたましい声)
「吉・吉・吉……」
「キチキチキチ」   (秋の高鳴き)
「ギチギチギチ」「キィーキチキチキチ」
ヤイロチョウ 「黒ペン、白ペン(クロペン、シロペン)」
 (八色鳥) 「白ペン、黒ペン」
「ボーヘン、ボーヘン」  (遠くから聞いたとき)
「ポポピイー・ポポピイー」或は「白ペン・黒ペン」と笛の様な声で鳴くということである
「黒ぺん、白ぺん(クロペン、シロペン)」 (高知県のいい伝えに由来)
(漁師の飼っていた愛犬の名前。漁師の霊が八色鳥になり、今でも愛犬の
 名を呼んでいる。)
(伊藤和貴「四国山中で八色鳥の巣籠り」野鳥Vol.5、No.7,p.5-13,1938)
「白べーん、黒べーん」   (高知の伝説。「白べん」「黒べん」は二匹の猟犬)
「与七、小七 (人の名)」   (宮崎県)  
 (野鳥編集部「鳥の声のききなし」、『野鳥』Vol.46,No.4,p.18-20,1981)
ヤマガラ(山雀) ◆「豆伊豆伊(ついつい)」    
「ぢいぢい」
「ツー、ツー、ピー」  (*)
「ツーツーピィー」  (*)
「ツッツピー・ツッツピー」
「にいにいにい」  (※鳥暦(とりごよみ): 2月22日 ヤマガラの日)
ヤマシギ(山鴫) 「くくく」
「チィキブーブー」 (雄)
ヤマドリ(山鳥) 「ほろほろ」 (玉葉和歌集)    (ほろ=母衣打ちの音)
(※実際は、山鳥は、ホロホロと鳴かない。川口氏はキジの羽搏ちの音という。)
「ドドド」(雄が翼を羽ばたいて出す音)(俗に母衣を打つという)
「コココ」「ククク」(低い声)   「チュイッ」(雄の鋭い声)
「く、く、く」        (赤山鳥)
「ちよん ちよん」    (赤山鳥)
「カツ カツ」 (物に恐れた時など、頭をもたげてこう鳴く)(彦山地方の人の話)
(ヤマバト) (→キジバトを参照)
ヨタカ 「キョッ・キョ・キヨッ」
 (夜鷹・蚊吸) 「キョキョキョ……」
「きよきよきよ」
「キョキョキョキョキョ・・・」
「キョッ・キョッ・キョッ・キョッ」
「ホイップ・プア・ウイル」(哀れなウイリアムを勇気づけて!)
「チャック・ウイルズ・ウイドウ」(お口説き!ウイリアムの後家さんを)
リュウキュウ 「クホー、クホー」
  コノハズク  (島尾ミホ『フクロウ』、草野心平編『日本の名随筆2・鳥』作品社、昭和58年、所収)
(琉球木葉木菟) 「コッホオー、コホー」
「ゴホッ・ゴホッ」 (奄美大島以南の琉球諸島に棲息)
「コホッ・コホッ」(コノハズクによく似る。日本では九州・奄美諸島・琉球諸島に分布)
ルリビタキ 「ルリビタキだよ、ルリビタキだよ」  
 (瑠璃鶲) 「ルリビタキだよ」
「ルリビタキ・ダヨー」
「俺ルリビタキ!」
「ボクはルリビタキだよ」
「リュリビタキです」
「ヒッ・ヒッ」   「ヒッチョロチョロチョロリ」
「ひー ぐちゆ ぐちゆ」
「一寸見に来て呉れ・一寸見に来て呉れ」「来て呉れ・来て呉れ・来て呉れ」       
「ちょっと見にきてくれ・見にきてくれ」


© Rakuten Group, Inc.